Amazonブランド登録の流れと方法 | ブランド登録と損する例と注意点も解説

アイリンク国際特許商標事務所による、ブランド登録講座です。今回はAmazonの「ブランド登録」ついてお話します。

Amazonには「ブランド登録」というシステムがあるのをご存知でしょうか。

Amazonでの物販をビジネスとして立ち上げたい場合には、ブランド登録をしておくしておくことで様々なメリットが得られます。

というわけで、今回の記事では、

  • ブランド登録をしないとどのようなトラブルを招くのか
  • ブランド登録の具体的なメリットとは何か
  • ブランド登録の前に必要な商標登録とは
  • ブランド登録の方法

について解説していきます。

面倒で先延ばしにしがちなAmazonブランド登録ですが、この機会にメリットや手順についての理解を深めておきましょう!

目次

Amazonブランド登録しない事で損をする例

Amazonブランド登録をしていない場合、どのような不利益を被る可能性があるのでしょうか。

ここで、Amazonブランド登録をしなかったがために起こった2つの事例について紹介します。

出品した商品が低価格で他社に販売される

出品ページから商品画像を無断で転載され、他社で同商品が安価で出品された。全く同じ商品だったため、他社のページからどんどん商品が売れていき、その結果商品ページの編集権限が持てなくなった。

オリジナル商品を高額転売された結果商品ページを奪われる

オリジナル商品を出品していたら、数倍の高値段で同商品を出品する他のセラーが現れてしまい、商品ページの権限が持てなくなった。

要するに、商品ページの権限が守られていないために、悪質な「相乗り」が横行してしまっているのです。

これらは、利益を上げる目的のみならず、単なる嫌がらせ(商品ページの権限を奪うため)だであるケースも少なくありません。

これらのトラブルを防ぐ目的で、Amazonは「アマゾンブランド登録」を開始しました。

Amazonブランド登録を行う5つのメリット

Amazonブランド登録を行うことにより、何が変わるのでしょう。

公式ホームページによると、Amazonブランド登録のメリットは以下の3点。

  • ブランドの商品出品情報を管理して、購入者が正確な情報を確認できるようにします。
  • 登録されたブランドに関する情報を使用して、権利侵害が疑われるコンテンツや不正確なコンテンツを事前に削除する自動プロテクション機能があります。ご提供いただく情報が多いほど、効果的にブランドが保護でき、ブランドのイメージが向上します。
  • Amazonの強力な検索ツールを使用すると、ガイド付きの簡単な手順で違反の疑いを見つけて報告できます。

引用:Amazon公式ホームページ

少しイメージしにくい点もあるかと思います。

この章では、Amazonブランド登録の5つのメリットについて詳しく解説していきます。

1.商品カタログページの編集権限が守られる

Amazonの商品カタログページは、実は相乗りしてきた出品者が勝手に編集することができるものです。

例を挙げると、出品していた商品の仕様を書き換えたり、単品販売をセット販売に書き換えたりすることができるということ。

嫌がらせ目的でライバルが商品ページを書き換えるなどの被害は少なくありません。

ブランド登録をしていれば、商品カタログの編集権限が守られます。

これにより、相乗りセラーによるページ編集に悩まされることはもうありません。

2.ブランド名クリックで商品一覧表示が可能

Amazonでお買い物をする際には、商品ページから出品者(ブランド名)をクリックすることで、その出品者が販売している商品を一括表示することができます。

この機能もまた、Amazonブランド登録を済ませておかなければ使用できないもの。

ストアページを作り込み、あなたのブランドのファンを集めることもできますね!

3.JANコード無しで出品できる

Amazonに出品する際には、バーコードに記載されているJANコードを都度入力する必要があります。

出品する商品が多ければ多いほど手間のかかるJANコード入力作業ですが、Amazonブランド登録後に「JANコード免除申請」をすることでJANコード無しで出品することが可能になります。

4.スポンサーブランド広告が使用できる

Amazonブランド登録をすることで、スポンサーブランド広告が使用できるようになります。

スポンサーブランド広告とは、Amazonの検索結果画面の上部に表示される広告で、とても目立つものです。

大きく表示され、購入者の目につきやすいため、高い訴求力が期待されるスポンサーブランド広告が打てるのは、ブランド登録の大きなメリットです。

5.強力な検索ツールで不正商品が見つけやすくなる

Amazonブランド登録のシステムにログインし、商品名を検索することで、商標権侵害を簡単に申告することができます。

商標権の侵害に該当する商品は、Amazon側で承認されたのち、早ければ1時間程度で削除されます。(通常は24時間以内)

申告された出品者にペナルティが課せられることもあるため、その効果は非常に高く、Amazonのサイトから効果的に不正商品を撲滅していくことができるというわけです。

Amazonブランド登録を行う際の注意点

Amazonブランド登録をする際に、知っておかなければならないのが、「Amazonブランド登録には商標登録が必要である」ということ。

商標登録とは

商標登録とは、商品やサービスの目印(商標)を守る国の制度の下、その目印(商標)を国に登録しておくこと。

現在、Amazonの規約によると、ブランド登録にあたり事前に商標登録を終えていることが必須となっています。

ブランドには、文字または図形の有効な登録商標が必要です。

引用:Amazon公式ホームページ

そのため、商標登録についても理解しておく必要があります。

ここで、Amazonブランド登録前に行う商標登録について解説しておきます。

1.ブランド名はテキストのみもしくはテキスト+図形

Amazonのブランド名は、

  • テキスト(文字)のみ
  • テキスト(文字)と図形の組み合わせ

のいずれかである必要があります。

つまり図形のみ(例えばAmazonロゴの矢印部分のみ)の登録は認められていません。

商標登録だけのことで言えば、文字なしの登録が可能ですが、ここではAmazon規約に沿って文字を必ず登録する必要があることを覚えておきましょう。

2.すでに商標登録済みのブランド名は使用できない

商標登録は重複して同じ名前を登録できないため、候補としているブランド名がすでに商標登録済みの場合、名前を変更する必要があります。

特許情報プラットフォームで、候補としているネーミングを検索すれば、同じ名前や類似している名前がないか調べることができるので、登録前に必ずチェックをしておきましょう。

3.スムーズな手続きには専門家の力が必要

商標登録に関しては、特許庁による審査をパスし、商標として認められる必要があります。

ここまでのプロセスには時間がかかり、商標登録が完了するまでブランド名が登録できないとなると、そこでビジネスも滞ってしまいます。

商標登録の手続きはご自身で行うことが可能ですが、ブランド名が登録できなかったり、途中で問題が発生したりすることで、さらに長く期間を要するケースも少なくありません。

  • 複雑な手続きを自力で行うストレス
  • 結果的に商標登録が認められない可能性
  • 手続きに要する時間と労力

などを考えると、専門家の力を借りる方が、より確実でストレスなく商標登録が完了するため賢明であると言えます。

商標登録については、こちらから無料相談いただくことが可能です。

興味のある方はぜひこちらも合わせてご覧ください。

Amazonブランド登録を行う流れと方法

ここからは、実際にAmazonブランド登録をする際の流れや詳しい手順について解説していきます。

初めにお伝えしておくと、Amazonブランド登録自体は難しくありません。

ブランド登録以前に完了する必要のある商標登録の手続きの方が難易度は上です。

それでは早速内容に進みましょう。

Amazonブランド登録の流れ

Amazonブランド登録の全体の流れは大きく以下の3ステップです。

  • 商標登録を完了させる
  • Amazon brand registryアカウント作成
  • 商品ブランドを登録

次の項目以降で、それぞれのステップの進め方を解説していきます。

1.商標登録を完了させる

先ほどもお伝えした通り、商標登録の手続き自体は自力で行うことも可能です。

流れは以下の通り。

  • 商標登録出願書類作成
  • 特許印紙を郵便局・特許庁で購入
  • 印紙を貼り書留などで郵送もしくは特許庁に提出
  • 商標登録出願番号通知書を受け取る
  • 出願した商標が認められれば登録査定の通知が郵送される
  • 登録料を支払う

かかる費用に関しても紹介しておくと、以下の通りとなります。

  • 特許印紙代‥区分数×8,600円+3,400円(例:1区分で12,000円、2区分で20,600円)
  • 商標登録料‥区分数×28,200円(10年一括の場合)

参考:特許庁ホームページ「産業財産権関係料金一覧」

2.Amazon brand registryアカウント作成

Amazonブランド登録にあたり、Amazon brand registryのアカウントを作成する必要があります。

サイトに行くと、「開始する」のボタンがあり、クリックすると「今すぐ登録する」のボタンが表示されます。

画面の指示に従い、必要項目の入力が完了すれば、アカウントの作成は完了となります。

難しい項目はありませんが、念の為入力項目を以下に記載しておきます。

  • 氏名
  • 番地
  • 会社住所(市区町村)
  • 会社住所(都道府県/州/省など)
  • 国/地域
  • 郵便番号
  • 役職名
  • 会社名・法人名

3.商品ブランドを登録

Amazon brand registryでアカウントが作成できたら、ここからブランド登録が可能になります。

「新しいブランドを登録する」をクリックすると、以下のような画面が登場します。

「利用規約を確認して続行する」をクリックしましょう。

すると以下の画面に進みます。

ここで、ステップ1で解説した商標登録が必須項目として登場します。

商標登録で入手した登録番号を入力して先に進みましょう。

質問に回答する際に注意すべきは「虚偽の記載をしないこと」です。

例えば、商品の製造国や自社商品であるか否かの質問には、正確に回答していく必要があります。

入力が完了すれば、Amazonから確認メールが届きます。申請時に付与された申請IDと確認コードを入力して送信しましょう。

これでブランド登録が完了となります。

まとめ

今回はAmazonのブランド登録について解説しました。

記事の内容をまとめると、以下の通りとなります。

  • Amazonブランド登録にはメリットがたくさんある
  • ブランド登録前に商標登録が必要
  • 商標登録は自力でもできるがプロの力を借りるとスムーズ

いかがでしたか?

ブランド登録を行うことで、効果的に商品を販促できる、他の出品者とのトラブルを未然に防げるなど、多くのメリットがあります。

ストレス・トラブルを回避するためにも、きちんとブランド登録を済ませておきましょう。

Amazonブランド登録時の商標登録でお悩みの方は、私共、「断らない商標事務所アイリンク」にお気軽にお問合せください。

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