会社名が被る6つのリスクと対策 | 被っても登記できる2つの条件

 

会社名を考えるときに気をつけなければならないのが、他の会社と会社名が被ることです。

結論からお伝えすると、会社名が他の会社と被ることは、法律上必ずしもNGではありませんが、避けた方が無難です。

この記事では、会社名が被るケースについて以下の内容に分けて解説していきます。

  • 法律的に会社名が被ることは認められているのか
  • 会社名が被っていても登録できる2つのケース
  • 会社名が被ることで起こり得るリスク
  • 会社名を他と被らずネーミングする方法

これから会社名を決める方、すでに決めた会社名が他社と被ってしまいお悩みの方にぜひ読んでいただきたい内容です。

会社名が他社と被るのは法律的に認められているのか

会社名が他社と被る場合は法律違反にあたるのでしょうか。

これに関しては回答はNOです。

会社を設立する際に行う商業登記上は、同じ会社名であっても登録は可能。つまり同じ会社名や似たような会社名で会社を設立すること自体は法律違反ではありません。

商業登記とは?
商業登記とは、法務局の商業登記簿に会社の情報を記載する手続きのこと。会社を設立する際に必ず必要な手続きです。

しかし、だからと言って安易に他社と被る会社名を選ぶのは賢明ではありません。

特に、同じ事業種で会社名が被る場合は、先にその会社名を登録していた企業から訴えられるなどのトラブルになる可能性が高いからです。

仮に全く畑違いの業種であっても、同じ会社名を使用することで問題になる可能性もあります。

つまり、法律的にNGではなくても、会社名が他社と被ることは避けるべきと言えます。

 

会社名が被っても登記できる2つの条件

会社名が被る場合でも登記自体は可能とお伝えしましたが、これには条件が2つあります。

他社と同じ会社名で登記する場合には、以下の2つの条件両方に該当している必要があるので、ここで覚えておきましょう。

1.「株式会社」の位置が違う場合

「株式会社◯◯」など、あたまに株式会社の記載がある場合、これを前株と呼びます。逆に、「◯◯株式会社」など、うしろに株式会社の記載がある場合を後株(うしろかぶ・あとかぶ)と呼びます。

同じ会社名で登記する場合は、前株か後株かが異なっている必要があります。

例えば、株式会社アイリンクの会社名がすでに登録されている場合、

  • 「株式会社アイリンク」→登記不可
  • 「アイリンク株式会社」→登記可能

となります。

2.本社所在地が異なる場合

すでにその会社名で登録している企業がある場合でも、本社所在地の住所が異なれば登記は可能です。

現実的に考えて、同じ住所で同じ名前を登記することはほぼ考えにくいケースなので、この点はあまり心配することはないでしょう。

近年急増しているレンタルオフィスでの商業登記を検討されている方は要注意です。(同じレンタルオフィスで同一の会社名は登記不可)

ただし、冒頭でもお伝えした通り、会社名が被ることで要らぬトラブルを招くことがあるため、極力避けるに越したことはありません。理由はこの後の章で詳しく解説します。

 

会社名が被る場合に考えられる6つのリスク

会社名が他社と被ることで、想像以上にたくさんのリスクを引き起こしてしまいます。

会社名が被ると、具体的にどのような事態を招いてしまうのか、ここで6つのリスクについて詳しく解説していきます。

1.検索結果で表示されにくい

会社名が他社と被る場合、インターネット検索の際に混乱を招いてしまいます。

潜在顧客がインターネットで会社名を検索した際に、別の会社まで検索結果に表示されてしまうためです。

さらに、同じ名前の別会社の規模が大きい場合、その会社に関連する情報がずらりと検索結果に表示されることで、結果的に自社の情報が表示されにくくなってしまいます。

2.商標権侵害で訴えられる可能性がある

他社と同じ会社名や、似たような会社名を登記してしまうと、商標権侵害で訴えられるリスクもあります。

商標権侵害とは?
他人が登録した商標やそれと類似する商標を、法律上他人の商標権が及ぶ分野について使用する行為のこと。

商標権侵害にあたる行為がどのようなものなのかは、特許庁のホームページにも記載されています。

登録商標と同一の指定商品・指定役務に登録商標を使用する行為
指定商品・指定役務に同一もしくは類似する商品・役務に登録商標に類似する商標を使用する行為
指定商品・指定役務に類似する商品・役務に登録商標を使用する行為

引用元:特許庁ホームページ

会社名を考える際には、商標権侵害で訴えられる可能性をゼロにするためにも、念の為事前調査をプロに依頼すると良いです。

候補としている会社名が登録可能かどうかを無料調査してみたい、という方はこちらを覗いてみてくださいね!

3.提供しているサービスを覚えてもらえない

会社名が他社と被ることで、自社のサービスを覚えてもらいにくくなるリスクもあります。

特に、会社名がすでに別のサービスである程度の知名度を上げている場合、消費者を混乱させてしまいやすくなります。

例えば、「SONY」という名前を含む会社名を、音楽と無関係の業種で使おうとする場合を想定してみましょう。

この場合、何も知らない人からすれば、「SONYということはきっと音楽関係なのだろう」と推測するはずです。

ところがその会社は音楽とは関係のない、飲食関係や不動産関係だとしたらどうでしょう。会社名と提供しているサービスがイメージ的に一致せず、いつまでも認知度が上がりにくくなってしまいます。

4.こだわりのない会社だと認知される

会社名には強い思いを込めるべきです。思いが込められた会社名は消費者にも刺さりやすく、印象に残りやすいもの。

会社名が他社のものと似ていたり、まるで同じだったりする場合には、「会社名にこだわりがある」とは思われません。

そのため、消費者の目線で見ても「こだわりのない会社」のように見えてしまい、企業価値も上がりにくくなります。

5.不正競争防止法の違反の可能性がある

不正競争防止法(不競法)は、公正な競争と国際約束の的確な実施を確保するため、不正競争の防止を目的として設けられた日本の法律でです。

他社と被る会社名を登記してしまうことで、不正競争防止法違反に該当するリスクがあります。代表的なものを挙げておきましょう。

不競法2条1項1号:この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。

周知な商品等表示の混同惹起」行為とは、他人の商品・営業の表示 (商品等表示)として需要者の間に広く認識されているものと同一又は類似の表示を使用し、 その他人の商品・営業と混同を生じさせる行為。

引用:不正競争防止法– e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

過去の例を挙げておくと、SONYの商品名「ウォークマン」を取り入れた、「有限会社ウォークマン」を商号とした行為が、不正競争防止法違反として認められたケースがありました。

6.問い合わせの間違いが増える

会社名が他社と被ることで、消費者側が問い合わせ先を間違えてしまうというリスクも考えられます。

単純に考えて、会社名を検索して問い合わせようとしたとき、同じ名前の別会社があれば間違えてそちらに問い合わせしてしまうケースが起こり得るのは当たり前です。

問い合わせの間違いが起こることで機会ロスになるため、このリスクは大きく捉えなければなりません。

会社名が被らないようにネーミングする方法

ここからは、他社と被ることなく会社名を決める方法について、5つのステップで解説していきます。

これから会社名を決める方は、ここで紹介する流れに沿って考えることで、他社と被ることなくこだわりのある会社名を決めることができますよ!

1.会社について深く理解する

設立する会社について、今一度理解を深めておきましょう。

特に注目すべきポイントは以下の5つです。

  1. 会社を設立したきっかけ
  2. 消費者にどのような利益をもたらすのか
  3. 販売するサービスの特徴
  4. どのような場面・目的で利用されるのか
  5. ターゲットとなる消費者層(年齢・性別・収入・居住地)

以上5つのポイントを深掘りすることで、会社理解が深まります。

2.サービスや商品に関連のあるキーワードを挙げる

会社がメインとして販売するサービスや商品に関連のあるキーワードを複数挙げていきましょう。

WEB検索やツール利用(共起語検索ツールをしながら、関連するワードをたくさん並べていきます。

ここでは特に「会社名としてはどうだろう」と考える必要はありません。用語を多く出しておく方が、この後会社名を作りやすくなります。

3.キーワードから会社名を考える

先ほどの段階で集めたキーワードから、実際に会社名を考えていきます。

このときに使える方法を下記に3つ挙げておきましょう。

  1. キーワード同士を繋ぎ合わせる
  2. キーワードを略してみる
  3. キーワードを逆から書いてみる

ここで、候補となる会社名をいくつか決めておき、最終的に絞り込んでいくと良いです。

4.他の会社名として使用されていないか確認する

今回の記事のメインテーマでもある、「会社名が他社と被る」というケースについては、極力避けておくのが正解とお伝えしました。

つまり、候補となる会社名を決定する前に、すでに他の会社名や商品名として使用されていないかどうかを確認する必要があります。

法務局の提供している登記・供託オンライン申請システムから、ご自身で調べることは可能です。しかし、事前の下準備(登録手続き)が必要になるなど、手間と時間はかかります。

調査自体をプロに依頼することで、確実に間違いなく会社名が登録可能かどうかを調べることが可能です。

まとめ

会社名は、この先何年何十年もの間、ずっと使い続ける大切なものです。

会社名を安易に決めてしまうことで、うっかり他社と被ってしまいトラブルを招くなどの事態は回避しなければなりません。

会社名が他社と被る場合、トラブルを招くだけでなく、消費者に認知されづらくなる、問い合わせ件数を現象させてしまうなど、デメリットはかなり多いです。

会社名を決定する前には、事前の調査を入念に行い、今後一切変更する必要のないようにしておきたいですね!

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    タテイシ リョウ
    ティール株式会社 取締役COO。マーケティングアナリスト。 年間1万点以上の商品名やサービス名を研究し、マーケティング視点からバズるネーミングを研究しています。再現性のある『売り上げが上がるネーミング』が強み。裏付けとなるデータやロジックから売り上げに繋がるネーミングノウハウを配信しています。