アイリンク国際特許商標事務所による、商品名の決め方講座です。今回はAmazonの商品名ルールに関する考察です。
商品名を決める際には、お客様の興味を引くための工夫が必須となります。
Amazonは多くの人が利用するサイトであるからこそ、いかにして他の商品以上に興味を持ってもらうかが重要です。
しかし、売れる商品名を考える以前に、Amazonが定めたルールを遵守することが大前提となります。
今回は、
- Amazonの商品名に関するルール
- 売れる商品名を決める方法
について解説します。
Amazon商品名の基本構成
Amazonの商品名には、
- メーカー
- ブランド
- 商品名
- 仕様・カラー・サイズ
- 型番
以上の5項目において記載する必要があります。
これらは商品の特徴を知るために必ず必要とされる項目であり、どれか1つでも欠けるとお客様が混乱するリスクがあります。
まずは上記の必須5項目について頭に入れておきましょう。
Amazonの商品名ルールを確認
ここからは、Amazonの規約に基づき、商品名に関してどのようなルールが設けられているか細かく解説していきます。
商品名を決める際には、「どうすれば売れるか」を考えることも大事ですが、それ以上にルールを守ることを忘れてはいけません。
仮にAmazonの定めたルールに違反している商品名で商品を掲載すると、規約違反となり最悪の場合アカウントが使えなくなるリスクがあるため要注意です。
Amazonの公式サイトで確認できる、商品名のルールにおける記載は以下の通りとなります。
- 付属品の説明は商品の仕様または商品の説明フィールドに追加できます。
- 本来の商品名と関係のない文章や記号を含めないでください。
- 各項目は半角スペースで区切ります。
- 商品名はスペースも含め全角50文字以内で入力してください。
- 服&ファッション小物、シューズ&バッグ、時計、ジュエリーの場合は、商品名はスペースを含め65文字以内で入力してください。
- スペースは半角で入力してください。
- 半角カタカナは使用できません。
- 英数字とハイフンは半角で入力してください。
- Type 1 High ASCII文字やその他の特殊文字、機種依存文字は使用できません。
- セール、OFF率、激安、送料無料、限定予約、入荷日、シーズンなどをタイトルに入れないでください。
ご覧の通り、注意事項自体も数が多く複雑なものもあるため、この章では注意すべきポイントを7つにまとめ、詳細について解説します。
1.商品名と関係のない文章や記号を含めない
商品名の中に、商品と関係のない文章や記号が入るとルール違反となります。
例えば、とてもオシャレなレジャーシートを販売するとして、「オシャレ」という言葉を商品名に入れるのはNGとなります。
「オシャレ」という言葉自体は商品であるレジャーシートと関係はありません。
「オシャレなレジャーシート」という文言を入れたい場合は、商品説明の項目で入れることが可能です。
また、「★」や「♡」などの記号はルールにより禁止されています。
目立たせたいあまりに記号を使いたくなることがありますが、商品名の中では禁止されていることを覚えておきましょう。
2.各項目は半角スペースで区切る
商品名の基本構成内には、「メーカー」「ブランド」「商品名」「仕様・カラー・サイズ」「型番」を含めると冒頭でお伝えしました。
となると、商品名はそれぞれの項目の羅列になるわけですが、項目ごとにスペースを入れる必要があります。
例えば、シューズの出品の場合、商品名は以下のようになります。
[ミズノ] ランニングシューズ マキシマイザー レッド 23 メンズ
ブランド・商品名・カラー・サイズの項目が羅列されていますが、それぞれに半角スペースがあるのがお分かりでしょうか。
このように、各項目は続けて羅列するのではなく、スペースを入れることがルールで決められています。
[ミズノ]ランニングシューズマキシマイザーレッド23メンズ
とスペースなしで羅列するのはNGです。
全角スペースではなく、半角スペースである点も注意しましょう。
3.商品名は全角50文字以内
商品名には文字数の制限があります。
Amazonの商品名は全角で50文字以内と決められており、これをオーバーするとルール違反となります。(服&ファッション小物、シューズ&バッグ、時計、ジュエリーのカテゴリーに限り65文字制限)
商品名自体が長い場合には、購入者が「どの情報に一番興味をそそられるか」を予測し、優先順位をつけた後に商品名を決める必要があります。
4.半角カタカナはNG!
Amazon商品名の中にカタカナが含まれる場合は全角カタカナを使用します。
半角カタカナ自体がルール違反なので、普段から半角カタカナを使い慣れている方は注意が必要です。
ちなみに、余談ではありますが、ネット上で記事などを書く際には基本的に半角カタカナを使わないことが一般的であるとされています。
半角カタカナはひらがなや漢字とのバランスが取りづらく、何かにつけて「全角カタカナ」に統一されていることが多いため覚えておくと良いでしょう。
5.英数字・ハイフン・スペースは半角
カタカナは全角統一ですが、英数字・ハイフン・スペースに限っては半角に統一するのがAmazon商品名ルール。
特に、英数字は気付かず全角を使用してしまいそうになりますが、意識的に半角を使うよう頭に入れておきましょう。
6.特殊文字・機種依存文字はNG
特殊文字・機種依存文字とはどのようなものか例を挙げておきましょう。
- ①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩
- ㎜ ㎝ ㎞ ㎎ ㎏
- ℡ №
- ㈱ ㈲ ㈹
このように、使用するPCやスマホによっては文字化けしたり表示自体されなかったりする可能性のある文字のことです。
これらの文字を商品名に含めることはルール上NGとされています。
7.その他のNGワード
商品名には売りポイントをキーワードとして盛り込みたいと考えるのが自然ですが、NGワードに該当しないよう気を付けなければなりません。
Amazonの商品名に以下に該当するワードを入れるのは違反とされています。
- セール
- 送料無料
- ○%OFF
- 激安
セール、OFF率、激安、送料無料、限定予約、入荷日、シーズンなどを商品名に含めることはできません。
書き方を変えて「お得!」「今だけ!」などの記載にしても同じこと。商品に直接関わらない情報を含めるのはNGです。
おそらく、Amazonのサイト上でこれらのNGワードを含む記載は山のように見つかるため、「問題ないのでは?」と考える方も多いでしょう。
しかし、厳密に言えば立派なルール違反となり、通報されることでペナルティを課せられる可能性があるのです。
初めからNGワードに該当するワードは商品名に含めないようにしましょう。
Amazonで売れる商品名を考える際の5つのポイント
Amazonの商品名ルールを理解した上で、ここからは「売れる商品名」について考えていきましょう。
商品名は非常に重要。
購入者は商品名を見た上で、「気になる」と思えばクリックしますし、「よく分からない」と思えばスルーします。
刺さる商品名は、クリックされる商品名。
この章では、Amazonで売れる商品名を考える際のポイントについてまとめています。
1.特徴を多めに盛り込む
商品にはそれぞれ「売りポイント」があります。
商品名には、購入者に優先的に伝えたい売りポイントを盛り込んでいきましょう。
文字数が許す限り、特徴はたくさん盛り込んだ方が効果的です。
例えばスマホケースなら以下のように盛り込むことが可能です。
iPhone SE ケース スマホケース レザー 手帳型 軽量 薄型 ワイヤレス充電対応 カード収納 スタンド機能 ハンドメイド 耐衝撃
ちょうど50文字、文字制限ギリギリです。
iPhoneケース、スマホケース、など商品が何であるかが分かる記載はもちろんのこと、付帯する特徴の中で注目されるであろうポイント、
- 手帳型
- 薄型
- 軽量
- カード収納
- スタンド機能
- 耐衝撃
などを盛り込み、商品名から商品の強みが伝わる記載の例です。
キーワードを選定する際には、販売する商品の売りポイントをまず書き出し、その中から優先度の高いものをピックアップしていきましょう。
2.ビッグキーワードとスモールキーワード
Amazon内で商品を検索する際、まず購入者は「メインとなるキーワード」を打ち込み、さらに特徴を絞り込むキーワードを加えて検索します。
例えば、プロテインパウダーを検索するとします。
このときの購入者の行動に注目すると以下のようになります。
ビッグキーワードはそもそも商品が何であるかを示すものなので当然入れ込みますが、スモールキーワードも積極的に加えることで検索にかかりやすくなります。
特に、Amazonのサイトでメインキーワードを入力した際、自動的に表示される候補キーワード(サジェストキーワード)は優先的に選ぶと良いです。
3.文章のような商品名
商品名を決める際には「文章のように購入者に伝わりやすいかどうか」を意識すると良いです。
例えば、以下のような商品名があるとします。
タニタ 体組成計 スマホ 50g単位 日本製 ゴールド RD-907 GD 医療分野の技術搭載 スマホでデータ管理
- タニタの体組成計であること
- スマホ連動機能がある
- 50g単位で体重測定できる
- 医療分野の技術が搭載されている
など、この体組成計が備えているであろうメイン機能はほぼ完全に購入検討者側に伝わります。
一方で、
オムロン 体重体組成計KRD-703T カラダスキャン KRD-703T
とだけ記載されている商品だとどうでしょう。
一旦商品ページを見にいくか型番で検索しなければこの商品の強みは分かりません。
いかに、「商品名だけで搭載機能や商品のアピールポイントを明確に伝えるか」が重要です。
4.メインキーワードを前半に配置
パソコンでもスマホでも同じことですが、商品名の全ては検索結果に表示されません。
後半の文字は検索結果画面ページで見ると途中で切れてしまいます。
購入を検討する人がクリックした先のページで初めて目にすることができますね。
よって、商品検索後にずらりと現れる検索結果のページで購入者に商品の魅力を知ってもらうためには、「重要なポイントは前半に配置」する必要があります。
メインキーワードはもちろん、特徴や売りポイントが伝わるキーワードを最後尾に配置するのはあまりにも勿体ないということ。
商品名の前半部分は特に重要であると頭に入れておきましょう。
5.スマホユーザー目線で考える
商品名を考える際に意識すべきことの中に、「スマホユーザーの目線で考える」という点があります。
以下は、Amazon利用者の使用デバイスを調査したデータです。
参考:「アマゾン」、「メルカリ」、「ラクマ」の利用者数は昨年同月比で2桁成長 ~ニールセン ECサービスの利用状況を発表~」
いかにスマホのみでAmazonを利用しているユーザーの率が高いかが分かります。
常日頃からパソコンを使用している出品者ほど、スマホユーザーの目線に立てていないことが多いため意識を変える必要があります。
スマホでAmazonを見たときに表示されるタイトルの文字数や、検索結果の表示画面を今一度確認しましょう。
パソコンで検索した際に「すごくいい商品名」に見えても、スマホで同じ効果が狙えるわけではありません。
いかがでしたか?
今回はAmazonの商品名に関するルールを解説しました。
Amazon上にルールを遵守していない商品名をたくさん見かけるから「少しくらい大丈夫だろう」と甘く考えるのはおすすめしません。
今後長くAmazonを活用し商品を販売していきたいと考えるのであれば、ルールを守った上で効果的な商品名を選んでいくことが大切です。
ネーミングや名前に関するお悩みがありましたら、私共、「断らない商標事務所アイリンク」にお気軽にお問合せください。